長い間、会っていなかった相手に対する挨拶に「久しぶり」という表現が日本語にはあります。英語で言うなら何と表現すれば良いのでしょうか。この記事では「久しぶり」に代わる英語表現を会話のニュアンスや、メールや電話などのシチュエーション別に解説。「久しぶり」の後に続く返事や会話表現も例文を交えて説明しているので、気になる方は参考にしてみてくださいね。
目次
「久しぶり」を意味する英語表現
会っていなかった期間の長さを強調して伝える
Long time no see
(久しぶり)
これは、日本語の「久しぶり」にあたる、最もニュアンスが近い表現と言ってよいでしょう。歴史的には、現地語を話せない外国人同士が意思疎通のために作った言葉と考えられています。そのため、文法的に完全な形を取っておらず通常のルールでは説明できないフレーズとなっていますが、英語圏で定型表現として広く受け入れられています。ただし、インフォーマルな使い方だということを覚えておいてくださいね。
It’s been a while
(しばらくぶりです)
「It’s been」は「It has been」を省略したもので、文法的に言うと現在完了の文となっています。現在完了は、過去のある時点から現在まで何かが続いていることを表すことができます。文法的にも正しい文なので、フォーマル、インフォーマルを問わず、「Long time no see」よりもさらに広範囲なシチュエーションで使えますよ。
It’s been ages
(ご無沙汰しております)
これも「It’s been」の部分は「It has been」を省略したもので、継続を表す現在完了の文となっています。会っていないという状態が長く続いているということですね。「a while」が「しばらくの間」という意味であるのに対して、「ages」は「長い期間」という意味で、会っていない期間がさらに長い時に使われます。
偶然会ったことへの驚きを強調して伝える
Fancy meeting you here
(こんなところで会えるなんて素敵)
とても親しみのこもった表現で、仲のいい友達や好きな人物に思いもかけず出会って驚いた時に使ってみてください。ここでの「fancy」は「奇遇の」や「外過ぎて素敵」の意味で使われています。偶然会ったという意外性を強調する文なので、会っていない期間はそれほど長くなくても使うことができます。
Look what the cat dragged in
(おや誰かと思ったら)
直訳すると「猫が引きずり込んだものを見てごらん」となり、慣用句として使われるスラングです。猫は動物の死骸や、人間からするとあまり歓迎されないものを家に持ち込んだりすることから、会ってもあまりうれしくない人に対して皮肉な意味合いを含めて使われることがあります。使い方には十分注意してください。
What’s cooking?
(何が起きたの?)
直訳すると、「どんな食べ物が準備されているのか」と言う意味になりますが、これは「何が起きているのか」という表現の代わりにすぎません。さらに転じて「会っていないあいだ、何をしていたんだ?」という意味で使われているのですね。少々古いですが、今でもしばしば会話の中で使われるスラングです。
What’s the haps?
(一体どうしたんだ?)
アメリカのスラングで、少々古い表現です。使用頻度はそれほど高くありません。「hap」は「幸運」という意味なので、直訳すると「どんな幸運がありますか」という意味になります。それが転じて、しばらく会っていなかった人への挨拶として使われます。イディオムなので、複数ですが、「is 」の省略形が使われていても気にしなくて大丈夫ですよ。
「久しぶり」をシチュエーション別に英語表現
メールの件名に書く場合
Long time no mail
久しぶりのメールだね
「Long time no see」から派生したフレーズです。友達にはもちろん、メール上でのやり取りだけの間柄でも使えます。SNSなら「Long time no chat」でもいいですね。反対に、実際に会ったことがない相手に「see」を使うのは不自然に聞こえます。
電話の第一声で伝える場合
Long time no talk
しばらく話してなかったね
こちらは「talk」なので、しばらく会話をしていなかったことに焦点を当てた英語フレーズです。このように「Long time no see」は様々な応用が利きます。ただし、目上の人へのフォーマルなシーンでは使用を控えたほうがよいでしょう。
「久しぶり」に続く英語の会話表現
ひとこと返事の場合
Nothing much
特に変わったことはないよ
久しぶりに会った人から「How have you been?」(どうしてた?)と尋ねられた時に、最も簡単に答えられるフレーズです。英語があまり得意でなかったり、近況を一から説明するのが難しいようなときに覚えておくと、とても便利な表現なので、ぜひ覚えておいてくださいね。「Not much」も同じ意味で使えます。
Same old same old
相変わらずだね
「Same old thing」の意味のイディオムで、強調のため二度繰り返して言います。日本人の耳には「セイモー、セイモー」と聞こえるでしょう。特に困ったことがなく平和であると言う反面、マンネリ化して退屈していると言った少し自虐的な意味合いも含まれています。親しい者同士の間でインフォーマルに使うようにしましょう。
近況を報告する場合
I have been busy
ここんとこずっと忙しかった
過去から現在まで同じ状態が継続していることを表すには、現在完了の文を用います。現在完了の文は、haveの後に動詞の過去分詞形を使うことで作れますよ。「I have been~」の後に形容詞を続けましょう。「busy」は近況を述べるのにとても便利な言葉なので、フレーズで覚えておくといいですよ。
I have been good
元気でやっています
「I am good」(私は元気です)という文を、現在完了形にしたものです。過去から現在までの間の様子を表すことができてとても便利な表現なので、これもフレーズごと覚えておきましょう。「good」の代わりに「ok」や「well」を使ったり、「I have been doing good」としてもいいですよ。
まとめ
「久しぶり」を簡潔に表すのは「Long time no see」
シチュエーションごとに、「久しぶり」に相当する、いろいろな表現を紹介しました。とっさのことで、なかなか考える余裕がない時には「Long time no see」と言いましょう。フォーマルなシチュエーションでない限り、誰に対しても失礼になることはないので、安心して使ってください。