日本では怖い存在として古くから恐れられてきた鬼。昔話や民話などで鬼が出てくる話を聞いて、幼い頃に怖い思いをした方もいるかもしれませんね。今回は「鬼」の英語での表現をご紹介します。また、鬼にまつわる言葉やことわざの英語での言い方も一緒に学んでみましょう。
「鬼」を表す英語はある?
日本の妖怪なので英語で表現するのは難しい
日本人の持つ「鬼」の概念にはいろいろなものがありますが、そのほとんどが仏教から由来しているため、特定の英語ひとことで表すことは難しくなります。英語圏で日本語の「oni」は、ごく一部の人たちにとって、ゲームの最高レベルという認識を持っていることはありますが、本来の意味を理解しているわけではありません。
「鬼」を英語で説明する方法
日本の「鬼」がどんな存在か説明する場合
Oni is a man-like creature in Japanese folklore
(鬼は日本の民話に登場する、人間の見た目のような生き物です)
鬼は動物でも人間でもない生き物であるため、正体不明の生き物は「creature」で表しましょう。「man-like」を直前につけると、人のような見た目という情報を付け加えることができます。また、鬼が登場するのは日本の昔話や民話ですね。民話は英語で「folklore」と言い、日本を意味する「Japanese」をつけて日本における民話を表現できます。
Oni is an object of dread to Japanese children
(日本の子供たちにとって、鬼は恐怖の対象です)
「object of」で対象物を表すことができます。「of」以下に何の対象物かを入れますので、今回は恐怖という意味を持つ「dread」を置いています。また、特定の誰かにとっての対象物であることを言いたい時は、「to」を使いましょう。今回はその後ろに「Japanese children」を入れて日本の子供たちにとって、という文にしています。
日本の「鬼」の特徴を詳しく描写する場合
Oni is a really huge creature with some horns, and they carry iron clubs.
(鬼は角が生えた巨大な生物で、金棒を持ち歩きます)
巨大で角が生えているという説明で、日本人の多くがイメージする鬼の姿を伝えることができますね。何かが体についている状態は「with」を使って表現することができます。その後についているものを置くため、今回は「some horns」を入れていくつか角がついていることを表しています。また、鬼が持ち歩く金棒は、鉄のこん棒という意味の「iron club」使って表すことができますよ。
Oni is generally red or blue
(日本の鬼は赤鬼か青鬼が一般的です)
日本語では赤鬼や青鬼などと鬼の前に色をつけて表現しますが、赤鬼と青鬼がいます、という文だと「There are generally red oni and blue oni」となります。例文と比べると語数が多く複雑に見えますね。英語においては例文のように鬼が赤いや青いという文章のほうが、実はシンプルで言いやすく分かりやすいために好まれます。
「鬼」と似た外国の想像上の怪物を英語で
筋肉質で人間のような怪物の場合は「ogre」
海外のゲームや映画などに登場する、体が巨大で筋肉質の怪物は「ogre」と言い、読み方は「オーガ」です。「ogre」はゲームなどでは髪がないスキンヘッドで描かれることがよくありますが、髪がたくさん生えた状態で描かれることもあります。見覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね。また、女の怪物は「ogress」と言い「オグレス」と読みます。
魔神のような力を持つ怪物の場合は「demon」
「demon」はカタカナだと「デーモン」と読み、日本でもよく知られた言葉ですね。英語では「ディーモン」と読みます。「demon」はもともとギリシャ語の「daimon」に由来しており、もともとは人間に災害などをもたらす超人的な神のような存在を意味していました。時が経つにつれてキリスト教においてはその存在が悪魔だとみなされるようになり、現在は魔神のように超人的力がある悪魔として扱われています。
悪魔のような怪物の場合は「devil」
「Satan」や「Lucifer」という言葉で言い換えられる存在で、いわゆる悪魔を意味します。「devil」は「demon」の一部ですが、その中でもボスのような存在です。「demon」はたくさんいるが「devil」は唯一の存在ということになりますね。また、比喩的に日本語でも魅力的なものに対して「悪魔のような」と言うことがありますが、これを英語では「devil」を使って表現します。
「鬼」に関連した英語表現
鬼ごっこは「tag」
鬼ごっこは日本だけでなく、多くの国で知られている遊びです。日本では鬼が誰かを追いかけてその人を捕まえると言いますので、捕まえるを意味する「catch」を使いそうですね。しかし英語では貼り付けるという意味の「tag」を使います。日本語でもタグを貼ると言うことがありますのでよく知られた言葉ですね。ちなみに、鬼ごっこの鬼は英語で「it」となります。
「tag」を使った英語フレーズ・例文
Let’s play tag, you’re it
(鬼ごっこしよう、あなたが鬼ね)
鬼ごっこをすると言いたい時は「play tag」を使いましょう。今回は人を誘う場面になるため、勧誘表現の「let us」を使います。「let us」には私達という意味を持つ「us」が入っていることから、自分だけでなく周りの人も一緒にやろうと誘う文章を作ることができます。「us」の後には動詞の原形をいれ、ほとんどの場合で「let’s」と省略されます。また、鬼ごっこの鬼は「it」ですので相手を鬼と指名したり自分が鬼だと言いたい時に使いましょう。
節分の鬼は「evil」
「evil」はもともとの意味としては悪や邪心など姿が見えない悪いものに対して使います。節分は英語圏にはない文化ですので、節分の鬼を英語で直訳することはできません。しかし、節分の鬼はいわゆる悪霊や厄のように捉えられているため、姿の見えない悪いものとして「evil」を使って節分の鬼を表すことができます。
「evil」を使った英語フレーズ・例文
Evils out, fortune in
(鬼は外、福は内)
節分の豆まきの声掛けを簡潔に英語にしている文です。「out」は外に出る、「in」は中に入るイメージを持つ言葉ですので、外と内を表すことができます。また、今回は悪霊にも様々な種類がいることから複数形にしています。実は福という言葉は英語圏では使われない言葉であるため、直接的に表現できる言葉はありません。しかし、福は幸運とも捉えることができますよね。そのため、幸運を表す「fortune」という単語を使っています。
「鬼」にまつわることわざを英語で
鬼に金棒
The more Moors, the better victory
強いものに強いものが更に合わさると大きな力になることを表す言葉ですが、鬼が出てくることからも、英語には直訳表現はありません。一番近い表現が例文になりますが、直訳をすると「ムーア人が多ければ多いほど、より良い勝利をおさめることができる」という日本語になります。もともと北アフリカにいたイスラム人であるムーア人は戦いにおいては最強だったことからこのことわざが生まれました。
鬼の目にも涙
Tears from the hardest heart
どんなに厳しく怖い人でも涙を流すことがあることを表したことわざですが、このことわざにも鬼が出てきますね。鬼は英語では訳しにくいですが、一番近い意味のことわざが今回の例文になります。直訳をすると「強情な心からの涙」となります。普段厳しい人や頑固な人の心から涙がでる様子を表しているため、鬼の目にも涙という日本語訳で使うことができますね。
まとめ
日本に古くからある鬼の文化を英語でも話そう
今回は「鬼」の英語での言い方や、鬼に関係している英語のフレーズなどをご紹介しました。ことわざや鬼ごっこなどからも分かるように、日本では昔から鬼の文化が存在し今日まで受け継がれていますね。海外の人達に、英語で日本の文化のひとつである「鬼」についてぜひ教えてみてください。